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反省以前の子供たち
著書の宮口さんは精神科医として多くの少年にいる子供達と会ってきました。そこで気が付いたのが反省以前に、そもそも足し算や引き算、聞く力や見る力想像する力など社会で生きていく上で必要な能力がとても低いということです。
これらの力が弱いと、人が一生懸命になにかを教えても歪んだ解釈をしてしまったり、想像する力が弱いことで、この行動を行えば次がどうなるかなど考えることができないのです。
このような子供は上学校2年生くらいから学校の授業についていけなくなり、学校を休みがちになり非行にはしる傾向があります。
この子達は軽度な障害があったとしも他の人には気づかれにくく、学校では「やっかいな子供」として扱われがちになります。
ケーキの切れない子供
著者の宮口先生が少年院に入院している子に、紙にかかれたホールケーキを5等分するように指示したところ、正確に5等分できる子は少なかったみたいです。
ケーキを5等分することもできない子供達に従来の反省を促すプログラムを実施しても意味がないことに気がつきます。学校では気が付いてもらえず少年院に来ても理解してもらえず、反省を強いられて来ました。
これこそが今の問題であるといっています。
少年の中には特別支援教育を自ら望む子もいたみたいですが、学校側には聞き入れてもらえず、非行に走り少年院にくるようになった子もいます。もし学校側が特別支援学級にいれていれば、この子の人生が変わっていたのかもしれません。
クラスの下位5人は支援が必要
35人クラスのうち5人は境界知能とされています。
これはあまりにも多い数になります。その昔IQが85未満のの場合は知的障害の部類に入るという基準にされていました。この割合でいくと全体の約16%が知的障害者の扱いになります。
そのためIQ70未満の人が知的障害という定義になりました。
それによってIQが84〜70の人は境界知能とされ、知的障害をもっている方達と同じく社会に生きて行く上でしんどさを感じています。その割合はおよそ14%もいます。
この割合は最初に書いた通り35人クラスの下位5人にあたります。この人たちは時代によっては知的障害の扱いになっていました。
まとめ
知的障害の認定はされていないが、同じように生きにくさを感じている人がいます。子供の時に非行に走ってしまう原因として知的障害ではないが、境界知能の人たちがおおくいます。
このような人には従来の更生プログラムではあまり効果がないため他の方法をもちいたものも紹介されています。
読んでみて初めて知る部分を多く楽しくよめます。