【まとめ】完全自殺マニュアル | 感想

完全自殺マニュアル

この本のタイトルすごくないですか?初めて見たときは衝撃を受けました。
そもそもこんな本出していいのか?という気持ちもありました。

しかし少し調べてみるとわかるんですが、100万部以上売れているベストセラーなんですよね。

発売が1993年で10代〜20代の方に多く読まれていたみたいです。

タイトルの通り、中身はただ自殺の方法が淡々と紹介されています。
ただ自殺の方法を紹介するだけでなく、項目ごとに点数も付いています。

苦痛、手間、見苦しさ、迷惑、インパクト、致死度が各5段階によって評価されています。

また自殺の仕方も、クスリ、首吊り、飛び降りなど項目を細かく説明しています。付録では樹海の行き方や、有名な飛び降り自殺の場所なども紹介しています。

この令和の時代に改めて読んでみた感想としては、とてもつまらないの一言だけ。そもそもタイトル通り「自殺マニュアル」なので、自殺の仕方を説明している本なだけで、そこに面白さを求めてはいけない気はするが。

自分が本気で自殺したいと思っているのなら、「なるほど。この方法で自殺しよう」となるのかもしれないが、別に自殺したいわけでもない人が読んでも楽しくない。むしろ気分が悪くなるだけである。

このような本が100万部売れたのが時代にマッチしていたからとしか言えない気がする。仮にインターネットが普及して、なんでもネットで調べられる時代においてこんな本だしたところで買う人は少ないと思う。

また93年に発売なので、バブル崩壊後すぐくらいで、混沌とした世の中だったのも当てはまっているのかもしれない。10代から20代に人気があったことから、そのサブカル系にマッチしただけとしか思えない。

ただ注意してほしいのは、この本は自殺を勧めているわけではないということ。

「自殺はいけない。自殺する人は心が弱い」という価値観を壊すために作られた本である。この本を読んで「イザとなったら死んじゃえばいいじゃん」という感覚をもって、社会を生きやすくするためにつくられた本である。

あとがきにこのことが書かれている。この著者は生きようが、死のうがどうでもいい。生きるとはその程度と言っています。

これには納得できる。死にたい人は死ねばいいし、生きたい人は生きればいい。自殺した人は心が弱いとも思わないし、生きている人は心が強いとも思わない。

生きたいと思っているから生きているだけでいいと思う。

余談だがこの本が発売された当時より、現在の方が自殺者数は多いのは不思議。この本が出た時代ではそこまで自殺者数は多くなかったみたい。それなのに100万部も売れたのは、自殺をしたいと思って買うより、好奇心旺盛の人がおおかったからなのか?

ブログランキング・にほんブログ村へ